事前学習:放射線治療計画装置
この章は「装置の役割」「治療計画用CT」「CT値-電子密度変換」「DRR/BEV」「DVH」「forward/inverse planning」を切り分けると一気に解きやすくなります。
まずは、X線シミュレータ=照射体位や照射方向の確認、CTシミュレータ=治療計画用CT画像取得、RTPS=線量計算・評価、という3本柱で整理しましょう。
1. 装置の役割
| 装置 | 役割 |
| X線シミュレータ | kV X線透視・撮影で、治療装置の幾何条件を再現しながら照射方向や照射野を確認する。 |
| CTシミュレータ | 治療と同じ体位・座標で治療計画用CT画像を取得する。 |
| RTPS | CT画像などを用いて、輪郭入力、線量計算、線量分布・DVH評価を行う。 |
迷ったら「X線シミュレータ=確認」「CTシミュレータ=治療計画用CT撮影」「RTPS=線量計算・評価」。
2. CTシミュレータで必要なもの・不要なもの
| 必要 | 理由 |
| 平板寝台/フラット天板 | 治療台と同じ体位を再現する。 |
| レーザーポインタ | 基準位置合わせ・体表マーキングに用いる。 |
| DICOM規格対応 | CT画像をRTPSに送り、輪郭入力・線量計算につなげる。 |
| 広いガントリ開口径 | 固定具やシェルを付けた治療体位で撮影する。 |
| 4D CT | 胸腹部などの呼吸性移動評価に有用。 |
不要になりやすいもの:ガントリチルト、診断用湾曲寝台、フラットパネルデテクタ、治療計画用CT側のMV-CBCT機能。
3. CT値-電子密度変換テーブル
RTPSはCT値から相対電子密度を推定して線量分布を計算します。MV X線ではコンプトン効果が重要で、電子密度が減弱や線量計算に関係します。
変換テーブルは、既知の電子密度をもつ多材質ファントムを撮影して作成します。CT値は装置や管電圧などの撮影条件に依存するため、装置ごと・条件ごとの管理が重要です。
| CT値のイメージ | 扱い |
| 0付近 | 水に近い |
| -700付近 | 肺のように電子密度が低い |
| +1000付近 | 骨のように電子密度が高い |
4. RTPSの流れ
- 体輪郭の定義
- 標的体積とリスク臓器(OAR)のcontouring
- アイソセンタなど基準点の設定
- 照射方式、門数、照射野、MLC、Jaw、ガントリ角度などのビーム設定
- 処方線量やweightの設定
- 合成線量分布、等線量曲線、DVHで評価し最適化
CTだけで不足する場合はMRI/PETをfusionして参照します。ただし線量計算の基礎はCT値→電子密度です。
5. DRR・BEV・IGRT
| 用語 | 意味 | 押さえどころ |
| DRR | CTから作る仮想X線写真 | 治療当日のkV/MV/CBCT画像と比較し位置照合に使う。 |
| BEV | ビーム上流から見た画像 | 標的、OAR、MLC、Jaw、照射野形状を確認する。 |
| IGRT | 画像誘導放射線治療 | 治療直前画像と計画画像を比較して位置確認する。 |
6. DVHと治療計画手法
DVHは縦軸が体積、横軸が線量です。PTVは十分な線量が多くの体積に入ること、OARはできるだけ低線量・少体積で済むことが望まれます。
| 手法 | 考え方 |
| forward planning | 計画者が条件を決め、RTPSが線量分布を計算する。 |
| inverse planning | 目標線量・線量制約を入力し、RTPSが照射条件を最適化する。IMRTで重要。 |